Intrinsic Activation of Cardiosphere-Derived Cells Enhances Myocardial Repair. J Thorac Cardiovasc Surg. 2020 May 29:S0022-5223(20)31261-7. Sano T, Ito T(2/5), Sano S
心筋梗塞後の心筋細胞の恒久的な喪失は、心機能に不可逆的な損傷をもたらす。本研究ではCRISPR/dCas9 遺伝子転写システムを介して、心臓特異的分化因子の内在的な活性化に関与する内因性調節領域を同定した。CRISPR/dCas9 システムは、幹細胞内の Tnnt2 遺伝子活性化を効率的かつ効果的に制御する手段を提供する可能性がある。その後、このシステムは、移植された CDC の虚血性心筋内での分化能を向上させ、虚血性心疾患患者の治療成績を向上させるために使用することができる。CRISPR/dCas9技術を用いての遺伝子発現亢進のみならず、心筋前駆細胞培養技術および虚血性心筋への心筋前駆細胞移植技術は、当時も十分に確立した技術であり、研究開始、実施中の苦難は少なかった。2018年に心筋幹細胞の存在が懐疑的との学術的見解が提示されたため、研究結果の解釈に多くの議論を必要とした。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022522320312617